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2025年10月18日土曜日

曲の構成を考えるときに意識していること


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「曲の構成を考えるときに意識していること」です。

私は、曲を作るとき、最初の段階では全体の構成まではあまり考えません。まずはピアノやシンセでメロディやモチーフ、コード進行をスケッチのように描いていきます。音の断片を集めていくうちに、少しずつ「この曲はどんな風景を描きたいのか」「どんな流れで聴かせたいのか」が見えてきます。

構成を考え始めるのは、その“音のかけら”が形になってきたタイミングです。イントロからアウトロまでをどう組み立てるかで、曲の印象は大きく変わります。メロディや音色の選び方と同じくらい、構成は音楽の“ストーリーテリング”に関わる大切な要素だと思います。


イントロはシンプルに

イントロはその曲の“第一印象”です。ここで聴く人の興味を引けるかどうかで、最後まで聴いてもらえるかが決まることもあります。私はできるだけ長くならないように意識しています。ピアノのコードだけで始めたり、4つ打ちのハイハットやバスドラのリズムだけで空気感を作ることも多いです。

大切なのは、最初の数秒で「おっ」と思ってもらえること。派手さではなく、“これから何かが始まりそう”という期待感を作るのがポイントです。音を詰め込みすぎず、空白を活かしたイントロの方が、聴き手の想像力を引き出してくれます。


足すだけでなく“引く”構成

多くの曲では、展開に合わせて楽器やハーモニーをどんどん重ねていきます。私もそうすることがありますが、最近は“引く構成”にも魅力を感じています。

たとえば、1回目の流れが終わり、2回目の展開に入るタイミングであえてベースを抜いてみる。すると、音の厚みが一瞬なくなり、メロディが浮かび上がって聴こえます。その後で再びベースやパッドを加えると、同じ構成でも新鮮な印象が生まれるんです。

音を足すことは簡単ですが、引くことには勇気がいります。ただ、その“間”にこそ、音楽の深みや余白が生まれる。特にアンビエントやエレクトロニカでは、こうした静と動のバランスが大切だと思います。


構成の流れ=小さな物語

曲の構成を考えるときは、ひとつの物語を作るような感覚で取り組んでいます。
最初は穏やかに始まり、途中で感情が動き、最後に静かに終わる。そんな「心の流れ」を音で描いていくのが理想です。

印象的に終わるための工夫として、私は一音だけ“雫のようなキラッとした音”で締めることがあります。ピアノやグロッケン、ベルなどを使って、静かな中に小さな光を残すように。

最後の1秒まで気を抜かずに、余韻の美しさを大切にしています。


■構成を考えることは、音を「演出」すること

DTMで作曲をしていると、つい“音を作ること”ばかりに集中しがちですが、構成を整えることはまるで映画やドラマの演出のような作業です。

場面が変わる瞬間、音の切り替え方、登場する楽器の役割。それらすべてが、聴き手にとっての「物語の流れ」を決めていきます。

曲全体を通して聴いたときに、自然に空気が流れるように。音が語りすぎず、でもしっかりと感情を伝えられるように。そんなことを意識しながら、一音一音を組み立てています。


まとめ

構成を考える作業は、曲に命を吹き込む工程だと思っています。
イントロでどんな空気を作り、どこで引いて、どこで盛り上げるか。
それを丁寧に積み重ねていくことで、曲はただの「音の集合」ではなく、“ひとつの物語”として聴き手に届くようになります。

曲作りに行き詰まった時は、一度“構成”の流れを見直してみるのもおすすめです。
きっと新しい発見があると思います。