BGMに使う音選びのコツ ― 聴き手の心に響く音を作る


こんにちは、poco moonです。

今日のテーマは「BGMに使う音選びのコツ」です。

DTMでは、打ち込み技術や演奏の正確さももちろん重要ですが、実は「音色選び」が作品の印象を大きく左右します。どんな音を選ぶかによって、音楽の質(クオリティ)が変わり、同じメロディでもまったく異なる雰囲気を持たせることができます。


メロディを引き立てる音の組み合わせ

私の場合、メロディはピアノで作ることが多いですが、時にはベル系のサウンドを重ねることもあります。ピアノだけでは他の楽器に埋もれやすい場合もあるため、グロッケンをうっすら混ぜることで音の輪郭をはっきりさせ、煌めきを加えることができます。

このように、ほんの少し高域に煌めきを足すだけで、曲全体の聴こえ方がぐっと洗練され、印象が変わります。聴き手の耳に残る“透明感”や“明るさ”を意識することがポイントです。

実践ポイント

  • メインの楽器に補助音を加えて立体感を作る

  • 高域の煌めきは控えめに入れることで自然な印象

  • 音が重なったときの輪郭を意識して配置する


音の硬さ・柔らかさでジャンルを表現する

音の「硬さ」や「柔らかさ」は、その曲のジャンルや雰囲気を決める重要な要素です。

  • コーポレート系BGM
    クリーンで硬めの音を使うと、サウンドが引き締まり、落ち着いたクールな印象を与えます。ビジネス向けや安心感を出したい場面に適しています。

  • アンビエント系BGM
    柔らかいパッドやアタックの穏やかな音を中心にすると、空気のように優しい雰囲気が作れます。リラックスや癒しを目的としたBGMに向いています。

曲の世界観に合わせて音の“質感”を意識して選ぶことが、完成度の高いBGM制作には欠かせません。

実践ポイント

  • ジャンルごとに基準となる音色を決めておく

  • メインの楽器とサブ楽器で硬さ・柔らかさを調整する

  • 曲全体の統一感を損なわない範囲で質感を微調整


帯域バランスで音を整える

音の周波数帯域が重なりすぎると、全体が膨らんで聴き取りづらくなります。私は主張したい音と支える音の帯域を意識的に分けるようにしています。

例えば、

  • メロディは明るめの高域寄りに

  • パッドは中域を中心に

  • ベースは低域を丸く置く

このように配置すると、自然な立体感が生まれ、各楽器の存在感がはっきりします。帯域バランスを整えるだけで、同じ音色でも格段に聴きやすくなるのです。

実践ポイント

  • 各楽器の周波数をざっくり把握して配置する

  • 高域・中域・低域の役割を意識して音を重ねる

  • 音が重なる箇所はEQで微調整してクリアに


まとめ

BGMにおける音選びは、作品の“世界観づくり”そのものです。

  • メロディやコードだけでなく、どんな音で表現するか

  • 硬さ・柔らかさ、帯域バランスを意識して整える

  • 聴き手が心地よく感じる組み合わせを探す

このプロセスを意識することで、作品の完成度は大きく変わります。小さな音の選び方の工夫が、曲全体の印象を左右するのです。

BGM制作の楽しさは、音選びを通して曲の空気感や物語を紡ぐことにあります。焦らず、自分の耳と感覚を信じて、心地よい音の世界を作っていきましょう。

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