作曲家のアイディアが枯渇しないために大切にしていること


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「作曲家のアイディアが枯渇しないために大切にしていること」です。

メロディやアレンジのアイディアがなかなか出ない時期は、作曲家であれば誰にでも訪れるものです。特にストックミュージック(BGM)を多く制作していると、「あれ、このメロディ、前の曲と似ているな」と感じることがあります。自分の中で自然と形成されている“好きなメロディの上下の流れ”やアレンジの傾向を無意識に繰り返してしまうのです。これがいわゆる「マンネリ」です。

マンネリに陥ると、曲作りの楽しさも薄れがちですが、少し工夫するだけで創作の流れを取り戻せます。


日々の行動に小さな変化を取り入れる

アイディアが枯渇しそうなとき、私は音楽面だけでなく、日常生活のルーティンを少し変えてみます。
例えば、朝のコーヒーを飲む場所を変える、散歩のルートを少し変える、普段行かないカフェで作業してみる――ほんの小さな変化でも、気分や感覚をリセットするきっかけになります。
日常の習慣は創造のリズムを生む一方で、固定化されすぎると発想の通り道が狭くなることがあります。だからこそ、違う角度から世界を見てみることが、作曲家にとっての栄養になるのです。


他の音楽や自然から刺激を受ける

もうひとつ大切なのは、他のアーティストの音楽を聴き、分析することです。好きな曲のコード進行を打ち込んでみたり、展開の仕方を学んだりすると、自分では思いつかなかったアイディアが生まれることがあります。これは音楽理論の勉強というより、“耳を育てる練習”に近い感覚です。

さらに、音楽以外のインプットも重要です。近所の公園を散歩したり、少し遠くに出かけて旅をしたりすることで、光や風、空気の匂いなど五感を通して情報を取り込むことができます。その感覚が、無意識のうちに曲作りに反映されるのです。

誰かと話すことも大きなヒントになります。パートナーや友人との日常会話から、言葉や感情のやり取りが曲のモチーフになることも少なくありません。創作にとって、人とのつながりは大きな意味を持っています。


1日10分でも音と向き合う

アイディアが出ないときほど、完全に音楽から離れないことが大切です。
たとえ10分でも、音を聴いたり、シンセや楽器に触れたり、コードを弾いてみたりするだけで、音楽とのリズムを保つことができます。
離れてしまうと「もう作れないのでは」と不安が生まれますが、少しずつでも音に触れていると、“好き”という感覚を保ちやすくなります。

制作に没頭できる時間が確保できる日ももちろん理想ですが、短い時間の積み重ねが創作力の自信につながることを、私は実感しています。


アイディアは探すより、受け取るもの

最後に大切にしている考え方は、アイディアは「探す」ものではなく「受け取る」ものだということです。無理に探そうとすると焦りが生まれ、思考が硬くなってしまいます。
しかし、さまざまな刺激を受けながら「こうかもしれない」と小さな疑問を持つことで、ふっと何かが降りてくる瞬間があります。

創作の本質は、もしかするとこの「受け取る姿勢」にあるのかもしれません。
これからも音と向き合いながら、自然に流れ込んでくるインスピレーションを大切にしていきたいと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

曲作りがマンネリ化したときに試したい、アイデアを広げる5つの方法

フィールドレコーディングの魅力 ― 風や波が教えてくれる“音の時間”

曲の構成を考えるときに意識していること ― 音の物語を紡ぐ