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2025年10月14日火曜日

曲のタイトルをつけるときに考えていること


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「曲のタイトルをつけるときに考えていること」です。
曲のタイトルを付けるのは、音楽制作の中でとても重要で、そして難しい工程です。

なんとなく曲のイメージはあるものの、それを一言にまとめるのは簡単ではありません。私自身は、曲のタイトルは「曲の完成後」に付けることが多いです。制作の途中ではタイトルを決めず、音がすべて出来上がってから、浮かんだ情景や感情を言葉にするようにしています。

最近では、シャッフル再生などで、タイトルよりも曲そのものを先に耳にすることも増えてきました。ですが、やはり「タイトル」はリスナーが曲を聴く前に最初に出会うものであり、どんな世界が広がっているのかを感じ取る“ファーストインプレッション”の役割を担っています。だからこそ、タイトルはとても大切な要素だと考えています。


和の情景をローマ字で

和風の曲を作るとき、私は日本語の言葉をローマ字表記でタイトルにすることが多いです。
例えば「Kusamoe」や「Natsuake」など、季節や自然を感じる言葉を選び、作品に込めています。日本語特有の響きや余韻には、他の言語にはない情緒があると感じています。

また、私の曲は海外でも聴かれているので、外国の方がタイトルを見て「この言葉はどんな意味なんだろう?」と調べ、日本の文化や言葉に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいなと思っています。

そうした小さなきっかけが、音楽を通して世界とつながる瞬間のようにも感じています。


言葉の意味と、響きの心地よさ

タイトルを考えるときに重視しているのは、言葉の意味だけでなく、発音したときの響きの心地よさです。特に私の音楽は、和風やアンビエント、エレクトロニカといった静けさや余白を大切にしているので、タイトルにも音の“余韻”を感じられるものを選ぶようにしています。

テーマにしているのは、「光」「風」「昼」「夜」など、自然や情景に関わる言葉が多いです。タイトルを見ただけで、空気の色や光のやわらかさ、風の温度まで思い浮かぶような、そんな一言を探しています。


行き詰まったときの発想法

とはいえ、いつもすぐに良いタイトルが思い浮かぶわけではありません。自然や古語、和言葉の本を開いて、ページをめくりながら言葉探しをします。日常では使わない美しい表現がたくさん載っていて、「こんな言葉があったんだ」と知るだけでも新しい発想が生まれます。

また、季節ごとに感じる匂いや音、空の色などをメモしておくのもおすすめです。言葉を見つけるというより、「景色を拾い集める」感覚で探すと、音と自然に結びついたタイトルが浮かびやすくなります。


まとめ:タイトルは音の一部

私にとってタイトルは、音楽の“外側”にあるものではなく、音の一部だと思っています。聴く前から物語を伝える“入口”のような存在であり、曲の世界にそっと誘うための最初の音。だからこそ、最後まで丁寧に選びたい工程です。

タイトルを決めることは、曲に“言葉の灯り”をともすこと。それがあることで、音楽はより深く、遠くへと届いていくのだと感じています。