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2025年10月20日月曜日

季節とともに音を紡ぐ


こんにちは、poco moonです。今日のテーマは「季節とともに音を紡ぐ」です。季節から感じるインスピレーションは、曲作りにとても大切だと感じています。

自然から得たインプットが、音としてアウトプットに繋がる瞬間というのはとても豊かで、季節感のある曲が生まれた時には「今を生きている」という実感が湧きます。

気温、光、風、匂い、五感で受け取ったものがそのまま旋律や音色に変わっていく感覚。それが、私にとって音楽制作の一番の喜びです。



春 ─ 柔らかく、芽吹くような音を

春になると、空気の中にほんのりとした温かさが戻り、花や草の色も少しずつ明るくなります。私の中では、和楽器の音がとても似合う季節。特に琴の明るく澄んだ音色は、春の日差しのように軽やかで、心をすっと開いてくれるような感覚があります。

メロディには長調を使うことが多く、軽やかなストリングスやベル系の音を合わせると、優しい春の風景が自然と浮かび上がります。


夏 ─ 生命の息づかいをリズムで描く

夏は、エネルギーに満ちた季節。木々の緑が濃くなり、川や海の音も力強く響きます。この季節の音楽には、ビートを少し強めにすることが多いです。

自然の中で聴こえるリズム、波の周期、蝉の鳴き声、風が木々を揺らす音、それらが音楽的なパターンとして心に残り、ドラムやパーカッションのフレーズに反映されていきます。夏の音は「生きている」という感覚を最も感じさせてくれます。


秋 ─ 響きの余白に、優しさを

秋は、空気が少し冷たくなり、夕暮れの時間が長くなる季節。私はこの時期に、ディレイやパッドを多く使います。音の余韻を少し長めにとることで、心の奥に残るような柔らかさを出すことができます。

メロディも控えめに、ゆるやかなテンポで。夏の賑やかさが静かに遠のいていくような、少しの寂しさとぬくもりを感じる音を目指します。


冬 ─ 静けさの中の透明感

冬は、私にとって「音の静けさ」を意識する季節です。リバーブを深くかけて、空間の広がりを大切にします。音数を減らしても成り立つような、透明感のある構成。白い景色にたたずむような音が好きです。

ときどき、ピアノやシンセの高音を雪の結晶のように配置して、空気の冷たさと美しさを表現します。冬の音は、静寂の中にこそ豊かさがある、そんな感覚を教えてくれます。


季節で変わる「街の音」

フィールドレコーディングをしていると、同じ場所でも季節によって全く違う音が聴こえることに驚かされます。春には鳥のさえずりが多く、夏は虫の声と風の音が力強く、秋は葉が擦れる音、冬は人の足音がやけに響く。音の種類や響き方が、そのまま季節の情景を伝えてくれます。環境音そのものが、季節を語る楽器のように思えます。


季節の音を生きるということ

今年は季節を意識した曲作りを続けてきて、とても充実しています。春には芽吹き、夏には光、秋には余韻、そしてこれからやってくる、冬の静けさ。四季を通して、自分の感情も音も少しずつ変わっていくのがわかります。

季節の中で感じたインプットを音楽にアウトプットできること。それは、作曲家としての幸せそのものであり、自然と共に音を紡ぐことの喜びでもあります。

2025年10月19日日曜日

フィールドレコーディングの魅力


こんにちは、poco moonです。今日のテーマは「フィールドレコーディングの魅力」です。私の曲には、風や波、鳥の声など、さまざまな“環境音”がそっと混ざっています。

アンビエントやエレクトロニカを作る中で、こうした音は、メロディやリズムと同じくらい大切な要素です。音楽が生まれる場所の空気や時間までも、一緒に閉じ込めたい。そんな気持ちで、私は旅先で録音をしています。


🔸 どんな音を録るのが好きか

旅先では、つい耳を澄ませたくなる瞬間があります。波が岩に当たる音、森を抜ける風の音、川がゆっくり流れる音……。そうした“風景の中の音”を見つけたとき、録音機をそっと取り出します。

海辺でマイクを構えると、砂の上を歩く足音や遠くのカモメの鳴き声まで聞こえてくる。そのたびに「この音は、どんな曲と出会うんだろう」と想像がふくらみます。


🔸 フィールドレコーディングの工夫

録音には ZOOMのH4nH1n の2種類を使っています。以前はH4nでしっかり録っていましたが、最近は一眼レフで写真も撮るので、機材を軽くしたくてH1nを使うことが多くなりました。

いちばん難しいのは、人の声が入らない環境を見つけること。人通りの少ない時間帯や場所を探し、静かになった瞬間を待ってマイクをセッティングします。

5〜10分ほどの収録ですが、風の向きや波のリズムなど、思うように録れないことも多い。それでも、うまくいったときの音には、その場所の空気がまるごと写っているようでうれしくなります。


🔸 加工の仕方と仕上げ

録った環境音は、DAWに取り込んでから軽く整えます。基本的には 低音をカット して、ノイズを減らす程度。自然の音は加工しすぎると“生きた感じ”が失われてしまうので、なるべくそのままの息づかいを残すようにしています。

音を重ねるときは、主張しすぎず、曲の背景に溶け込むように配置。シンセやピアノの後ろでそっと流れているだけでも、その音があるとないとでは、曲の深呼吸の仕方がまるで違って感じます。


🔸 楽曲での使い方

たとえば「Beautiful Coast」では、伊豆の浮島海岸で収録した波の音を使いました。夕方の時間帯で人の往来も少なく、柔らかな潮騒がヒーリングサウンドとよく馴染みました。

一方「Precious Time」では、ガットギターの音に風や鳥の声を加えています。こちらは人が多い公園で録音したため、遠くに人の話し声がかすかに入っています。でもその“にぎやかさ”が不思議と曲の温かさを引き立ててくれて、結果的にちょうどいい“生活の音”になりました。


🔸 自然と音楽のあいだで

環境音を加えると、音楽がより身近に感じられるようになります。まるで、日常の中に自然が静かに寄り添ってくれるような印象。人工的なサウンドの中にも、どこか“現実の時間”が流れ出す気がするのです。

私にとってフィールドレコーディングは、単なる素材集めではなく、風景と心をつなぐ小さな旅。これからも耳を澄ませながら、音の中にある景色を探していきたいと思っています。

2025年10月18日土曜日

曲の構成を考えるときに意識していること


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「曲の構成を考えるときに意識していること」です。

私は、曲を作るとき、最初の段階では全体の構成まではあまり考えません。まずはピアノやシンセでメロディやモチーフ、コード進行をスケッチのように描いていきます。音の断片を集めていくうちに、少しずつ「この曲はどんな風景を描きたいのか」「どんな流れで聴かせたいのか」が見えてきます。

構成を考え始めるのは、その“音のかけら”が形になってきたタイミングです。イントロからアウトロまでをどう組み立てるかで、曲の印象は大きく変わります。メロディや音色の選び方と同じくらい、構成は音楽の“ストーリーテリング”に関わる大切な要素だと思います。


イントロはシンプルに

イントロはその曲の“第一印象”です。ここで聴く人の興味を引けるかどうかで、最後まで聴いてもらえるかが決まることもあります。私はできるだけ長くならないように意識しています。ピアノのコードだけで始めたり、4つ打ちのハイハットやバスドラのリズムだけで空気感を作ることも多いです。

大切なのは、最初の数秒で「おっ」と思ってもらえること。派手さではなく、“これから何かが始まりそう”という期待感を作るのがポイントです。音を詰め込みすぎず、空白を活かしたイントロの方が、聴き手の想像力を引き出してくれます。


足すだけでなく“引く”構成

多くの曲では、展開に合わせて楽器やハーモニーをどんどん重ねていきます。私もそうすることがありますが、最近は“引く構成”にも魅力を感じています。

たとえば、1回目の流れが終わり、2回目の展開に入るタイミングであえてベースを抜いてみる。すると、音の厚みが一瞬なくなり、メロディが浮かび上がって聴こえます。その後で再びベースやパッドを加えると、同じ構成でも新鮮な印象が生まれるんです。

音を足すことは簡単ですが、引くことには勇気がいります。ただ、その“間”にこそ、音楽の深みや余白が生まれる。特にアンビエントやエレクトロニカでは、こうした静と動のバランスが大切だと思います。


構成の流れ=小さな物語

曲の構成を考えるときは、ひとつの物語を作るような感覚で取り組んでいます。
最初は穏やかに始まり、途中で感情が動き、最後に静かに終わる。そんな「心の流れ」を音で描いていくのが理想です。

印象的に終わるための工夫として、私は一音だけ“雫のようなキラッとした音”で締めることがあります。ピアノやグロッケン、ベルなどを使って、静かな中に小さな光を残すように。

最後の1秒まで気を抜かずに、余韻の美しさを大切にしています。


■構成を考えることは、音を「演出」すること

DTMで作曲をしていると、つい“音を作ること”ばかりに集中しがちですが、構成を整えることはまるで映画やドラマの演出のような作業です。

場面が変わる瞬間、音の切り替え方、登場する楽器の役割。それらすべてが、聴き手にとっての「物語の流れ」を決めていきます。

曲全体を通して聴いたときに、自然に空気が流れるように。音が語りすぎず、でもしっかりと感情を伝えられるように。そんなことを意識しながら、一音一音を組み立てています。


まとめ

構成を考える作業は、曲に命を吹き込む工程だと思っています。
イントロでどんな空気を作り、どこで引いて、どこで盛り上げるか。
それを丁寧に積み重ねていくことで、曲はただの「音の集合」ではなく、“ひとつの物語”として聴き手に届くようになります。

曲作りに行き詰まった時は、一度“構成”の流れを見直してみるのもおすすめです。
きっと新しい発見があると思います。

2025年10月17日金曜日

曲ができないときに考えていること


曲ができるときと、なかなかできないとき。

これは音楽を続けていると、誰にでも訪れるものだと思います。音楽に限らず、絵を描く人、文章を書く人、何かを作る人すべてに共通することかもしれません。

「作れない」時期には、決して才能がなくなったわけではなく、ただインプットが不足していることが多い気がします。


休むことも、大切な制作の一部

作曲を続けるようになって、私は「休むことの大切さ」を本当に実感しました。机に向かってひたすら音を重ねるだけでは、だんだんと感覚が鈍ってくる。

そんなときこそ、音楽から少し離れてみる。犬と散歩をしたり、家族とゆっくり話をしたり、本を読んだり、映画を観たり、旅に出たり。

そうした時間の中で、ふとした瞬間に「音」が戻ってくることがあります。五感で受け取ったものが、知らないうちに心の中で音楽になっているんですね。


インプットを別の形でアウトプットする

インプットしたことを、そのまま心にしまい込まず、何かの形で外に出してみる。それもまた、クリエイティブな循環のひとつだと思います。

最近は、こうしてブログの文章を書くことも自分にとって大切なアウトプットになっています。また、旅先で環境音をハンディレコーダーに収録するのも好きで、波の音や風の音、鳥の声などを録る時間が、少しずつ自分のライフワークになってきました。

 音楽を作っていない時間にも、確かに「音楽の種」は育っているのだと思います。


焦りを感じたときに思い出すこと

SNSでは、他のミュージシャンが毎日のように新しい曲を発信していて、「自分も何か出さなきゃ」と焦ることがあります。 でも、そんなときこそ一度立ち止まって、「自分の音楽を誰に届けたいか」を考えます。

私の場合、一番に思い浮かぶのは、身近にいる人たち。自分の家族、応援してくれている人たちがいるからこそ、音を続けられている。その人たちの顔を思い浮かべると、また音楽に向き合う力が湧いてきます。


おわりに

たくさんの経験や出会い、そして心の動きが、次の音楽を生み出す原動力になります。作れない時期も、音が眠っているだけ。焦らず、たくさん感じて、また音に戻っていけばいい。クリエイターの皆さん、一緒に自分のペースで頑張っていきましょう。

2025年10月16日木曜日

BGMに使う音選びのコツ


こんにちは、poco moonです。今日のテーマは「BGMに使う音選びのコツ」。

DTMでは、打ち込み技術ももちろん大切ですが、実は「音色選び」が作品の印象を大きく左右します。どんな音を選ぶかによって、音楽の質(クオリティ)が変わり、同じメロディでも雰囲気がまったく違って聴こえることもあります。


メロディを引き立てる音の組み合わせ

メロディはピアノで作ることが多いですが、私はよくベル系のサウンドも重ねます。
ピアノの音だけだと他のオケに埋もれやすいことがあるため、グロッケンをうっすら混ぜて音の輪郭をはっきりさせるようにしています。ほんの少し高域に煌めきを足すだけで、聴こえ方がぐっと洗練されます。


音の硬さでジャンルが決まる

音の「硬さ」や「柔らかさ」は、ジャンルの印象を決める重要な要素です。

  • コーポレート系BGMでは、クリーンで硬めの音を使うとサウンドが引き締まり、クールな印象になります。

  • アンビエント系BGMでは、逆に柔らかいパッドやアタックの穏やかな音色を中心にして、空気のような優しい雰囲気を出すようにしています。

その曲の世界観に合わせて、音の“質感”を意識して選ぶことが大切です。


帯域バランスで音を整える

音の周波数帯域が重なりすぎると、全体が膨らんで聴き取りづらくなります。私は主張したい音と支える音の帯域を意識的に分けるようにしています。たとえば、メロディを明るめにして、パッドを中域寄りに、ベースを丸く低域に置くことで、自然な立体感が生まれます。


まとめ

音選びは、BGMの“世界観づくり”そのもの。
メロディやコードだけでなく、「どんな音で表現するか」を考えることで、作品の完成度は大きく変わります。聴く人が心地よく感じる音の組み合わせを探す。それが、BGM制作の面白さのひとつだと思います。

2025年10月15日水曜日

BGMを作るときに意識している“聴かせない音楽”


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「BGMを作るときに意識している“聴かせない音楽”」です。

音楽というと、「人に聴かせるもの」というイメージが強いかもしれません。けれど、BGM(バックグラウンドミュージック)では“聴かせすぎない”ことがとても大切だと感じています。

BGMの多くには、音楽以外の「主役」が存在します。たとえば映像作品の中では映像が主役ですし、店舗や空間演出の場では、人や雰囲気そのものが主役になります。音楽はそれらを“引き立てる”役割を担う、それがBGMの本質だと思っています。

最近は特に、映像とともに流れるBGMの需要が増えています。カフェ、レストラン、ギャラリー、アパレルショップ、美容室など、様々な業態の雰囲気に合わせた音が求められています。音楽が主張しすぎると空間の印象を壊してしまう。だからこそ「聴かせない」音作りが必要です。


メロディは“語りすぎない”

BGM制作で最も重要な鍵になるのは、やはり“メロディ”です。
歌もののように強く主張するメロディラインを入れてしまうと、聴く人の意識が音楽のほうへ向かってしまいます。

私は、メロディをできるだけ詰め込みすぎず、音と音の“間”に余白を残すようにしています。間隔を開けることで、空気が流れるような感覚が生まれるんです。

その代わりに、コード進行で物語を感じさせるようにしています。セブンスコードやテンションコードを使って、さりげなく感情をにじませる、そんなアプローチが好きです。

BGMでは、派手な展開よりも「空間と調和するメロディ」が美しく響くと思います。


空間をデザインする音作り

リバーブやディレイも、BGM制作に欠かせない要素です。
これらのエフェクトを使うことで、音に“居場所”が生まれます。

私は曲ごとにリバーブの深さを意識的に変えています。たとえば、静かな夜のシーンをイメージした曲では、リバーブを広げて奥行きを感じさせたり、ディレイを少し長めに設定して、音が残る余韻を大切にしています。

空間的な広がりを作ることで、音に余裕が生まれ、聴く人が自然とリラックスできる。まるで音そのものが“呼吸”しているような状態を目指しています。


さりげなく個性を込める

「聴かせない音楽」とはいえ、自分の個性や感情を閉じ込めてしまうわけではありません。
映像や空間を引き立てながらも、その中に自分のメッセージをそっと忍ばせる。

たとえば、和の情景を感じさせるようなメロディの抑揚だったり、ピアノやパッドの音色の柔らかさに自分らしさを込めたり。BGMという控えめな世界の中でも、表現できることはたくさんあります。

聴く人が「なんだか心地いいな」「優しい雰囲気だな」と感じてくれたら、それは確かに届いている証拠。

BGMには、そんな“静かな感動”を生み出す力があると思います。


まとめ

BGM制作における“聴かせない音楽”とは、音を削ぎ落とすことではなく、空間や主役を引き立てるための音の在り方です。派手さよりも、余白の中にある美しさ。控えめな中にある情緒。

聴く人の想像力を広げる音。そんな音楽を、これからも丁寧に作っていきたいと思います。

2025年10月14日火曜日

曲のタイトルをつけるときに考えていること


こんにちは、poco moonです。
今日のテーマは「曲のタイトルをつけるときに考えていること」です。
曲のタイトルを付けるのは、音楽制作の中でとても重要で、そして難しい工程です。

なんとなく曲のイメージはあるものの、それを一言にまとめるのは簡単ではありません。私自身は、曲のタイトルは「曲の完成後」に付けることが多いです。制作の途中ではタイトルを決めず、音がすべて出来上がってから、浮かんだ情景や感情を言葉にするようにしています。

最近では、シャッフル再生などで、タイトルよりも曲そのものを先に耳にすることも増えてきました。ですが、やはり「タイトル」はリスナーが曲を聴く前に最初に出会うものであり、どんな世界が広がっているのかを感じ取る“ファーストインプレッション”の役割を担っています。だからこそ、タイトルはとても大切な要素だと考えています。


和の情景をローマ字で

和風の曲を作るとき、私は日本語の言葉をローマ字表記でタイトルにすることが多いです。
例えば「Kusamoe」や「Natsuake」など、季節や自然を感じる言葉を選び、作品に込めています。日本語特有の響きや余韻には、他の言語にはない情緒があると感じています。

また、私の曲は海外でも聴かれているので、外国の方がタイトルを見て「この言葉はどんな意味なんだろう?」と調べ、日本の文化や言葉に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいなと思っています。

そうした小さなきっかけが、音楽を通して世界とつながる瞬間のようにも感じています。


言葉の意味と、響きの心地よさ

タイトルを考えるときに重視しているのは、言葉の意味だけでなく、発音したときの響きの心地よさです。特に私の音楽は、和風やアンビエント、エレクトロニカといった静けさや余白を大切にしているので、タイトルにも音の“余韻”を感じられるものを選ぶようにしています。

テーマにしているのは、「光」「風」「昼」「夜」など、自然や情景に関わる言葉が多いです。タイトルを見ただけで、空気の色や光のやわらかさ、風の温度まで思い浮かぶような、そんな一言を探しています。


行き詰まったときの発想法

とはいえ、いつもすぐに良いタイトルが思い浮かぶわけではありません。自然や古語、和言葉の本を開いて、ページをめくりながら言葉探しをします。日常では使わない美しい表現がたくさん載っていて、「こんな言葉があったんだ」と知るだけでも新しい発想が生まれます。

また、季節ごとに感じる匂いや音、空の色などをメモしておくのもおすすめです。言葉を見つけるというより、「景色を拾い集める」感覚で探すと、音と自然に結びついたタイトルが浮かびやすくなります。


まとめ:タイトルは音の一部

私にとってタイトルは、音楽の“外側”にあるものではなく、音の一部だと思っています。聴く前から物語を伝える“入口”のような存在であり、曲の世界にそっと誘うための最初の音。だからこそ、最後まで丁寧に選びたい工程です。

タイトルを決めることは、曲に“言葉の灯り”をともすこと。それがあることで、音楽はより深く、遠くへと届いていくのだと感じています。

2025年10月13日月曜日

作曲家のアイディアが枯渇しないために大切にしていること


こんにちは、poco moonです。今日のテーマは「作曲家のアイディアが枯渇しないために大切にしていること」です。

メロディやアレンジのアイディアが出ない時期は、私にもあります。特にストックミュージック(BGM)をたくさん作っていると、「あれ、このメロディ、前の曲と似てるな」と感じることがよくあるんです。

自分の中で“好きなメロディの上下の流れ”というものが自然とできあがっていると、無意識のうちに同じパターンをなぞってしまう。アレンジも似たような展開になってくると、次第に「つまらないな」と感じるようになります。

いわゆるマンネリ、ですよね。


日々の行動を変えてみる

マンネリに陥っているときは、音楽面だけでなく、日々の行動パターンまで同じになっていることが多いです。だからこそ、生活の中に小さな変化を取り入れることがとても大事だと思います。

たとえば、朝のコーヒーを飲む場所を変えてみたり、散歩のルートを少し変えてみたり。それだけでも、気分や感覚がリセットされて、曲作りのモチベーションに繋がることがあります。習慣が創造のリズムを生む一方で、固定化されすぎると“発想の通り道”が狭くなる。

だからこそ、ときどき違う角度から世界を見てみることが、作曲家にとっての栄養になるのかなと思います。


他の音楽から刺激をもらう

もうひとつ大切にしているのが、他の人の音楽を聴くこと、分析することです。
自分の好きなアーティストの曲のコード進行を参考にして、実際に打ち込んでみるのはとてもおすすめ。思ってもいなかったメロディや構成が自然と生まれることがあります。

私もよくやるのですが、「なるほど、この展開の仕方は自分にはなかったな」と気づく瞬間がとても刺激的なんです。音楽理論の勉強というより、感覚的に“耳を育てる”練習のようなものですね。

そして、音楽以外のインプットもとても重要です。近くの公園を散歩したり、ときには少し遠出をして旅をするのも良いリフレッシュになります。

自然の空気や匂い、光の移り変わり――それら五感を通して得られる情報は、想像以上にインスピレーションを与えてくれます。「音」は、結局“感じる力”から生まれてくるのだと実感します。

また、誰かと話をすることも大きなヒントになります。パートナーや友人との何気ない会話の中で、言葉や感情のやりとりがそのまま曲のモチーフになることもある。

人とのつながりは、創作にとってすごく大きな意味を持っていると感じます。


1日10分でも、音と向き合う

アイディアが出ないときこそ、完全に音楽から離れないようにしています。
たとえ10分でもいいので、音を聴いたり、シンセや別の楽器を触ったり、コードを弾いてみたり。「音楽と関わり続けること」自体が、自分にとってのリズムを守る方法です。

離れてしまうと、「もう作れないんじゃないか」という不安が生まれることがあります。だからこそ、小さな時間でも音に触れていると、“好き”という気持ちを保つためのバランスが取れる気がします。

制作に没頭できる日はもちろん理想ですが、ほんの少しの積み重ねが大きな自信につながると思っています。


アイディアは探すより、受け取るもの

最後に、私がいつも感じているのは、アイディアは“探す”ものではなく、“受け取る”ものだということです。無理に探そうとしても、焦りが先に立ってしまい、思考が硬くなってしまう。
でも、さまざまな刺激を受けながら「こうかもしれない」と小さな疑問を持てると、
その瞬間にふっと何かが“降りてくる”ような感覚があります。

創作の本質って、もしかしたらそういう「受け取る姿勢」にあるのかもしれません。
これからも、音に向き合いながら、自然に流れ込んでくる“インスピレーション”を大切にしていきたいと思います。

2025年10月12日日曜日

朝活で作曲習慣をつくる方法


こんにちは、poco moonです。今日のテーマは「朝活で作曲習慣をつくる方法」です。

朝の時間というのは、不思議と頭がクリアで、音のアイディアが次々と浮かんでくる時間帯です。外の音や環境音もまだ少なく、静かな空気の中で机に向かうと、自然と集中度が高まっていきます。夜の作業も好きですが、やはり朝にしかない感覚というものがあります。

空気の冷たさや、少しずつ明るくなっていく空。その変化を感じながら、1日の始まりに音楽づくりをすることが、自分にとって心のリズムを整える時間になっています。


制作習慣について

朝活の最初のルーティンは、水筒に水とレモン果汁を加えて、一日の水分を準備するところから始まります。次に、小さな一口チョコを2つ用意します。お湯を沸かして、スティックコーヒーでシンプルに淹れた珈琲を持って、自分の制作スペースへ。

制作スペースの前には窓がありますが、人の往来がある場所なので、少しだけカーテンを開けて外の天気を確認します。朝の光が少し入るだけで、気持ちが軽くなるのを感じます。その後、PCを立ち上げるのが毎朝のルーティンです。

この段階では、メールチェックやSNSは基本的にしません。できるだけ“クリエイティブなモード”を保ったまま、制作に入りたいからです。頭の中に余計な情報を入れず、音楽にまっすぐ向き合うための時間として、Logic Proを最初に立ち上げます。

制作時間はおおよそ1時間半から2時間くらい。最初にコード進行を作り、そこに合うメロディを探していきます。メロディの断片がいくつも浮かび、その中から少しずつ形になっていく感覚が好きです。2時間ほど経つと、外が少しずつ慌ただしくなってくるので、そこで一度区切りをつけて、朝食を取るのがいつもの流れです。


集中法と心の整え方

制作に入る前には、深呼吸をして呼吸を整えるようにしています。気持ちを静めてから音と向き合うことで、音がより鮮明に聴こえる気がします。忙しい朝の中でも、ほんの数秒でも意識的に呼吸を整えるだけで、集中の質が変わってくるのを感じます。

これからは、軽い運動やストレッチなども取り入れていきたいと思っています。朝の体はなかなか動きませんが(笑)、身体を目覚めさせることで、頭もすっきりして、音の響き方やアイディアの出方にも変化が出そうな気がします。


続けるための考え方

ルーティンというより、心構えに近いのですが、「毎回いいメロディを作らなければいけない!」と力みすぎないようにしています。そういう“マスト思考”になると、義務感やプレッシャーが先に立ってしまい、せっかくの創作が重たくなってしまうからです。

メロディが浮かんでも浮かばなくても、この朝活の時間そのものを楽しく過ごそうという意識で取り組んでいます。「味わう」という言葉が好きなのですが、音づくりの時間を料理を楽しむように味わうことができれば、人生はもっと豊かになると思うんです。

音色をいろいろ試して「この音いいな」と思ったり、前にボツにしたメロディを組み合わせて“意外と合うかも”と気づいたり。そういう小さな発見が日々の刺激になって、また次の朝も自然と机に向かいたくなります。

継続の鍵は、この「小さな喜び」を見逃さないことだと感じています。


まとめ

季節が進んで冬が近づくと、つい眠気に負けそうになることもありますが(笑)、今年のはじめから続けてきた朝活は、これからも自分のペースで継続していきたいと思っています。派手な変化はなくても、地道にコツコツ積み重ねることが、結局は一番大きな力になる——そんな実感を持つようになりました。

私と同じように、好きなことを続けていきたいと思っている方にとって、この朝の時間の過ごし方が少しでも参考になったら嬉しいです。

今日もまた、静かな朝の光の中で、音に耳を澄ませながら一日を始めようと思います。

2025年10月11日土曜日

BGMを1曲作るときの流れ


こんにちは。poco moonです。今日は私がBGMを1曲作るときの基本的な流れを、実際の体験を交えながら紹介します。初心者でもイメージしやすいように、ステップごとに分けてまとめました。


1. ジャンル別テンプレートを立ち上げる

BGM制作は、まずジャンル別に用意したテンプレートを立ち上げるところから始まります。テンプレートには以下のような工夫があります:

  • ジャンルに合った基本的な音色

  • プラグインやトラックの色分け

  • 作曲時に迷わず曲に取りかかれる環境

同じテンプレートを使い続けると曲の雰囲気が似てしまうこともあるので、定期的にアップデートしています。


2. コード進行とメロディで骨組みを作る

曲の骨組みはピアノで作ることが多いです。

  • 4小節程度のコード進行を考えループ

  • その上にメロディを重ねて曲の基本を作る

  • コードとメロディの組み合わせで曲の雰囲気が決まる

ここでじっくり時間をかけることで、曲全体の印象が安定します。


3. ドラムやリズムで大枠を整える

次に、曲のリズム部分を作ります。

  • ドラムやパーカッションを加える

  • 派手なリズムよりも、空気感や心地よさを重視

  • 音の抜き差しや強弱で曲の印象を調整

この段階で、曲全体の大枠が見えてきます。


4. ハモリや裏メロディで厚みを出す

曲に深みを与えるために、ハモリや裏メロディを追加します。

  • メインメロディを引き立てるハモリ

  • 聞き手の印象に残る裏メロディ

  • 音色やフレーズを微調整してバランスを整える


5. ミックスで仕上げる

最後はミックス作業です。私は作曲作業とミックスを同じ日に行わず、日を分けることが多いです。耳をリフレッシュすることで客観的に音をチェックできます。

  • 各楽器の音量やパンの位置を調整

  • リバーブやエフェクトで自然な空間感を作る

  • 曲全体がバランスよく聞こえるように仕上げる


まとめ

テンプレートを活用しつつ、コード進行→メロディ→リズム→ハモリ→ミックスの順で進めると、効率よく自分らしいBGMが完成します。作曲の過程はシンプルに見えますが、音色やフレーズの微調整など細かな工夫の積み重ねで曲の印象は大きく変わります。

私にとってBGM制作は、こうした小さな発見を楽しむ時間でもあります。積み重ねていくことで生まれる変化が今はとても楽しいです!

2025年10月10日金曜日

最近の音楽活動について


こんにちは、poco moonです。

今回は、最近の制作や音楽活動について少し書いてみようと思います。

ここ最近は、朝の時間を活かしてオーディオストック用のBGM制作を続けています。朝は頭がすっきりしていて、アイデアも自然と浮かびやすいので、作曲のリズムを整えるにはちょうどいい時間帯です。小さな積み重ねを大切にしながら、毎日コツコツと新しい音を紡いでいます。

制作した楽曲は、週に1回のペースでYouTubeに公開しています。主にオーディオストック向けのBGMや、ストリーミング配信用のインストゥルメンタル曲が中心です。動画として視聴できる形にすることで、音だけではなく「作品としての世界観」を感じてもらえるようにしています。

BGMのジャンルはさまざまですが、特に多いのはコーポレート系、和風、アンビエントの3つ。どれも自分の中で軸になっているジャンルです。最近はそれに加えて、クリスマスなどの季節を感じるシーズナルBGMや、ニュース番組のようなミニマルなサウンドもよく聴きながら制作しています。季節の空気や世の中の流れを音で表現するのは難しいですが、その分、完成したときの手応えも大きいと感じます。

一方で、少しずつクラシックギターのソロエチュードも作り始めています。自分の手の動きや響きに合わせて書いているので、これまでのBGMとはまた違った感覚で向き合える時間です。どこかのタイミングで発表できればと思っています。

今年はライブの機会が少なく、制作の比重が大きい1年になりそうです。ステージで演奏する時間も好きですが、今は音にじっくり向き合う期間だと感じています。ひとつひとつの作品を丁寧に仕上げながら、聴いてくださる方の暮らしに寄り添える音楽を届けていけたらと思います。

これからも、マイペースに、でも確実に歩みを進めていきたいです。少しずつではありますが、制作の過程や新曲もこのブログで紹介していく予定なので、ぜひ気軽にのぞいてみてくださいね。

2025年10月9日木曜日

このブログについて


このブログは、poco moon(ぽこむーん)が運営する音楽ブログです。
作曲や演奏、音楽制作を通して得た知識や経験を、少しでも多くの方と共有できたらと思い、立ち上げました。

主なテーマはこんな感じ:

  • DTM・作曲に関するヒントやコツ
     使っている音源やプラグインの紹介、制作の裏話などを掲載します。

  • 機材レビュー
     実際に使っているギターや音源、周辺機材を、クリエイター目線でレビューします。

  • 音楽活動レポート
     制作中のBGMやリリース情報、ライブの様子などを随時お届けします。

  • 講師としての気づきやレッスンメモ
     ギター・ウクレレ・DTMを教える中で感じたことや、初心者がつまずきやすいポイントなどをまとめます。

このブログは、音楽制作を始めたい方、機材を探している方、またはBGMやインストゥルメンタルが好きな方に向けて書いています。記事を通して「音作りの楽しさ」や「表現する喜び」を感じてもらえたら嬉しいです。

これから少しずつ記事を増やしていきますので、のんびりと読んでいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

はじめまして、poco moonです


こんにちは、poco moon(ぽこむーん)です。

このブログでは、音楽制作や機材レビュー、日々の音にまつわる発見などをゆるやかに発信していきます。

私は作曲家・BGMクリエイターとして活動しており、Audiostockには現在約400作品を登録しています。主に映像音楽やBGM作品を中心に制作しており、日常の情景や感情に寄り添うサウンドをテーマにしています。

また、作曲だけでなく、ギターを中心とした演奏活動も行っています。ライブではオリジナルのインストゥルメンタル曲を中心に、静かな空気感の中で音を紡いでいます。

そのほか、講師としてギター・ウクレレ・DTMの指導も行っており、初心者の方から本格的に学びたい方まで、音楽の楽しさを一緒に共有しています。

このブログでは、音楽制作のヒントやおすすめ機材、創作の裏側などを少しずつ紹介していきます。

音を通して、日常が少しでも豊かに感じられるような記事を届けられたら嬉しいです。
これからどうぞよろしくお願いします。